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高血圧とストレスって関係あるの?
ストレスが血圧に及ぼす影響について

ストレスを感じ自律神経が乱れると、心や身体に不調をきたします。実はそれが、血圧の上昇に深く関係しています。
本記事では、ストレスと血圧の関係やストレスによって血圧が上昇する理由、対策法などについて解説します。

目次
この記事の監修医師
国際医療福祉大学大学院医学研究科 循環器内科学・福岡薬学部 教授
岸 拓弥 先生

なぜストレスによって血圧が上昇するのか?

普段は正常血圧でもストレスによって血圧が上がることがあります。
緊張したり我慢したり、脳がストレスを感じると自律神経が乱れるために血圧が上がりやすくなると言われています。

血圧測定時にストレスの影響で変動してしまう血圧がある?

ストレスによって血圧が上がることから、普段は正常範囲内の血圧である方も特定の場面で測定すると血圧の値が高くなってしまうことがあります。
「職場高血圧」や「白衣高血圧」はその一例になります。

職場高血圧
「職場高血圧」は、仕事中に精神的または肉体的ストレスを感じることで血圧が上昇します。
気がつかずに放置してしまうリスクがあることや、血圧をこまめに測ったり、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)をしたりすることで発見できる可能性があること、また上手にストレスを発散できるように工夫または食事にも注意してみましょう。
白衣高血圧
白衣高血圧は、病院の診察室などで血圧を測定した際の数値が普段に比べて高くなる状態のことです。
医師や看護師を前にすることで緊張してしまい、それがストレスとなって血圧が上昇します。そのため、白衣高血圧がある人は診察室だけでなく、普段から緊張する場面になると血圧が上がっている可能性があります。
緊張状態になり自律神経が乱れて起こると考えられていることから、高齢者や女性、喫煙者、糖尿病などで自律神経機能に問題を抱える方に多いと言われています。

いずれも、一般的な高血圧と同じように脳や心臓、血管疾患などのリスクとなるため、定期的な経過観察や適切な治療が必要です。

自分のストレスに気づくために

血圧を上げる原因となるストレスとうまく付き合うには、自分でストレスに気づくことが第一歩です。
過度のストレスを感じている時には、必ず何らかの症状が現れます。いち早く気づいて対処できるよう、具体的な症状について知っておくことが大切です。

出典:厚生労働省 こころの耳
出典:日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2019

心の症状
過度のストレスを受けた時は、気持ちの面で以下のような症状が出やすくなります。
  • 何でも消極的に考えてしまう
  • 何をするにもやる気が出ない
  • 常にイライラしている
  • 感情の起伏が激しくコントロールできない
  • 以前は楽しめていた趣味や遊びが、全く楽しく感じなくなる
身体の症状
ストレスを受け続けると、身体にも以下のような症状が現れます。
  • 寝つきが悪くなる、夜中に何度も目が覚めてしまう
  • 胃がもたれて食欲が出ない
  • 頭痛や吐き気など風邪のような症状が長く続く
  • 下痢が続く
  • 肩こりや腰痛がひどい
  • 胸苦しさや動悸を頻繁に感じる
  • 喉がつかえたような違和感があり、息苦しさが続く

ストレスが原因で症状が出ている可能性がある場合は、
速やかに医療機関を受診し、相談しましょう。

ストレスの対処法

ストレスをなるべく溜めずに過ごすためには、以下のような方法がおすすめです。

いずれも手軽に試すことができる対処法ですが、人によって向き不向きがあります。
外に出たくないという方は運動をしても気分転換になりませんし、話すのが苦手な人にとって誰かに相談することは、反対にストレスとなってしまうでしょう。
何よりも自分が「リラックスできる」と思える対処法を見つけることが大切です。
出典:厚生労働省 こころの耳

血圧上昇を抑える対策

ストレスは避けられないことも多いですが、ストレス管理以外で血圧の上昇を抑えるためにできることとして、生活習慣の見直しがあります。詳しくは以下のページをご覧ください。

高血圧の予防について詳しく見る

適度な運動と生活習慣の改善を意識しましょう

どれだけ避けようとしても、ストレスは受けてしまうものです。
ストレスが原因で血圧を上昇させないためにも、不調に気づいた時にはリラックスできる環境を作ることが大切です。
普段からなるべくストレスを小さいうちに解消して溜め込まず、日々の生活習慣の改善を意識し、気になることがあれば医療機関を受診するようにしましょう。

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