高血圧について知る
お役立ち情報

高血圧と診断された場合に食べるのを控えた方が良いもの
食べ物で注意すべきこととは?

血圧が高いと食生活でも注意が必要になります。このページでは、血圧が高い場合に、控えるべき食べ物についてご紹介します。

目次
この記事の監修医師
八田内科医院 院長、京都府立医科大学臨床教授、日本高血圧学会学術評議員
八田 告 先生

摂取を控えた方がいいもの

高血圧の要因は、遺伝要因や肥満、運動不足、飲酒、ストレスなどさまざまですが、その中でも普段の食事は血圧に直結するものです。
改善すべき食生活として、塩分の過剰摂取や過食、偏食などが挙げられます。
では、なぜ良くないのか、また、どのような食事に気をつけるべきなのかをご紹介していきます。

塩分が高いもの
高血圧の人の一日あたりの塩分摂取量目安は、6g未満が目標とされています。しかし、現在の日本人の平均的な塩分摂取量は6gを大きく上回り、平均9.9g(男性10.8g、女性9.2g)の摂取量と言われています。
この数値からも、多くの日本人にとって減塩が課題であると考えられます。ご自身の食生活の中の塩分に着目して見直してみましょう。
塩分が多いと感じたら、徐々に薄味に変えていったり、ソースや調味料を控えたり、減塩の工夫を心がけましょう。

日本高血圧学会 減塩・栄養委員会では、高血圧患者や減塩をしようとしている方たちへ向けて、減塩率が20%以上の食品のリストを作成しています。
醤油やだし、ドレッシング、漬け物、加工品、インスタント麺など具体的な商品名で挙げられているので、ぜひ「JSH減塩食品リスト」を参考に減塩にトライしてみましょう。
出典:日本高血圧学会 減塩委員会 https://www.jpnsh.jp/data/salt_foodlist.pdf

なぜ良くないのか?

人の体内では、水分と塩分が一定の濃度で保たれています。塩分を過剰摂取すると、一時的に高くなった体内の塩分濃度を下げるため、水分を溜め込もうとします。すると、心臓に送り込まれる血液量が増え、血管にかかる圧力が増すことで血圧が上がってしまうのです。
高血圧患者の腎臓では、塩分の摂取に伴う交感神経系の活性化により血管が収縮し、血圧上昇につながります。
アルコール
塩分の他にアルコール摂取量にも注意が必要です。
習慣的にアルコール摂取量が増えると、血圧が上昇傾向にあると報告されています。このような場合、アルコール摂取量を減らすことで量に応じて血圧が低下することも知られています。

例:
高血圧の予防、改善のためには、男性では、一日あたり日本酒1合程度が望ましいでしょう。
ビールだと中瓶1本(500ml)、焼酎だと0.6合、ウイスキーだとダブル1杯、ワインだと1/4本、缶チューハイだとロング缶1缶が目安とされています。
女性はその約半分とされています。

なぜ良くないのか?

アルコール摂取量が多くなると、アルコールに含まれる糖質や満腹感から食事量が減ったり、脂質や塩分が多いサイドメニューを選びがちになり栄養バランスが偏ります。
さらに、肝臓への負担はもちろんですが血管への負担が増え、心臓病や脳卒中のリスクが高まります。飲酒は適切な量に留め、休肝日を設けるなど工夫してみましょう。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット

高血圧のときの食事について

お伝えしてきたように高血圧のときの食事において、まずは減塩、適度なアルコール摂取量、糖分に気をつけながらカリウムを積極的に摂ることが大切です。
減塩食は味が薄くなりがちですが、だしのうまみや薬味をうまく利用することでおいしく仕上がります。
魚はDHAやEPAを含む良質な脂質を摂取でき、血管へ働きかける水溶性食物繊維が豊富な野菜や海藻類を取り入れた献立が作りやすいため、和食がおすすめです。
また、カリウムの多い食材を積極的に摂ることも大切です。果物の果糖が気になる場合は、ほうれん草やかぼちゃなどの野菜から摂取するとよいでしょう。

高血圧の食事について詳しく見る

食事以外の生活習慣の改善も検討しよう

高血圧が気になる場合、まずは食生活の見直しが大切です。今回ご紹介した塩分やアルコール、野菜や果物の摂り方から意識してみましょう。
その他に、喫煙や運動不足、ストレス過多が高血圧のリスク要因となることを普段の生活で正しく認識することが第一歩です。
また、高血圧は指摘されてもすぐに治療が必要と感じにくかったり、生活習慣の改善の継続が難しかったりする疾病なので、本格的な投薬治療を始める前に、また、その他の疾病が併発する前に自覚することが重要です。

お役立ち情報一覧

知っておきたい、災害時の血圧管理 避難生活や防災で気を付けたいポイント

知っておきたい、災害時の血圧管理 避難生活や防災で気を付けたいポイント

災害時には、被災前に良好であった血圧が上昇することが報告されています。それは普段飲んでいる薬が持ち出せなかったなどの薬不足にも起因しますが、それだけでなく、震災後の各種ストレスや環境も大きな要因となり得ることがわかっています。

詳しく見る
高血圧とデジタル医療

高血圧とデジタル医療

「高血圧」と「デジタル」一見関わりがないようで、実は様々な面でこの二つは現在深く結びついています。ここでは、高血圧とデジタル医療について解説していきます。

詳しく見る
高血圧と糖尿病は合併しやすいって本当?高血圧と糖尿病の深い関係性

高血圧と糖尿病は合併しやすいって本当?高血圧と糖尿病の深い関係性

高血圧は日本で患者数が一番多い病気です。また糖尿病も内科で診る病気の中で三番目に多く、年々増え続けています。これらの2つの病気は、肥満、喫煙、運動不足などといった共通の原因によって引き起こされます。

詳しく見る
高血圧の方必見!入浴するときの注意点​ ​​入浴前と風呂上がり時

高血圧の方必見!入浴するときの注意点​ ​​入浴前と風呂上がり時

入浴は体を清潔にするだけではなく、日々の疲れを癒すことで、好きな方も多いかもしれません。しかし、特に寒い冬場の入浴は急激な体温の変化で血圧が大きく上下に変動し、風呂場で失神したり、不整脈や心筋梗塞などを起こしてしまった方をニュースやテレビ番組で耳にした方もいるかもしれません。

詳しく見る
血圧を下げる可能性が報告されている5つの飲み物

血圧を下げる可能性が報告されている5つの飲み物

血圧を下げるには、食生活の改善が大切です。血圧を下げるための食生活の改善というと「減塩」を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は毎日飲んでいる飲み物にも気をつける必要があります。

詳しく見る
高血圧とコーヒーの意外な関係 コーヒー飲むと血圧は上がるの?

高血圧とコーヒーの意外な関係 コーヒー飲むと血圧は上がるの?

「コーヒー(珈琲)は血圧を上げる原因」と言われることがあり、コーヒーを飲むことを控えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、コーヒーと血圧の関係について詳しく解説します。​

詳しく見る
高血圧はオンライン診療と相性が良い?

高血圧はオンライン診療と相性が良い?

この記事では、オンライン診療のメリットや気をつけるべき点、一般的な利用の流れ、オンライン診療の費用について解説します。また、高血圧はオンライン診療と相性が良いのか、についても説明していきます。

詳しく見る
高血圧と頭痛は関係あるの?

高血圧と頭痛は関係あるの?

血圧が高い時に、軽い頭痛、頭重感などの症状が見られることがありますが、大部分は自覚症状がないことが多いです。しかし、高血圧に頭痛を伴う場合、重大な病気が合併していることもあり注意が必要です。高血圧と頭痛の関係について詳しくお話しをします。

詳しく見る
高血圧の予防策を徹底解説!

高血圧の予防策を徹底解説!

高血圧の予防策について、どんなことに気をつければ良いのか、今すぐ始められる取り組み方をご紹介します。

詳しく見る
血圧を下げる方法とは?

血圧を下げる方法とは?

高血圧を指摘された場合、血圧を下げるためにどんなことを意識したらいいのでしょうか?血圧を下げるために日々の生活の中で実践できることを解説します。

詳しく見る
新しい高血圧治療「スマート降圧療法」とは?

新しい高血圧治療「スマート降圧療法」とは?

「スマート降圧療法」とは、新しい高血圧治療であり、お医者さんからの指導と、スマートフォンで“生活習慣の改善”に取り組む治療法です。

詳しく見る
高血圧の人の食事で注意すべきことは?

高血圧の人の食事で注意すべきことは?

高血圧の方が毎日の食事で積極的に摂った方が良い食事、減らした方が良い食品などを具体的にご紹介します。

詳しく見る
仮面高血圧とは?

仮面高血圧とは?

仮面高血圧は、診察室で測定した血圧は正常であるにもかかわらず、家庭など診察室の外で測定すると高血圧に該当することが特徴です。仮面高血圧について詳しく解説します。

詳しく見る
白衣高血圧とは?

白衣高血圧とは?

普段の血圧は低いのにもかかわらず、病院の診察室で測ると血圧が上がるという方がいらっしゃいます。白衣高血圧の概要やリスク、対策について詳しく解説します。

詳しく見る
高血圧における運動療法の効果とは?

高血圧における運動療法の効果とは?

高血圧の治療の基本は生活習慣の改善です。その一環として「運動療法」があります。高血圧における運動効果と運動のポイント、高血圧におすすめの運動の種類まで解説します。

詳しく見る
高血圧と動脈硬化の関係について

高血圧と動脈硬化の関係について

高血圧が要因で動脈硬化が起こることで血管に負担がかかり、さまざまな病気を引き起こします。生活習慣を見直したり、高血圧の治療を行うことで、予防や進行を抑えることが可能です。

詳しく見る
高血圧と診断された場合に控えた方が良い食べ物とは

高血圧と診断された場合に控えた方が良い食べ物とは

血圧が高いと食生活でも注意が必要になります。塩分が高いものなど、血圧が高い場合に摂取を控えるべき食べ物についてご紹介します。

詳しく見る
高血圧によるリスクを解説!

高血圧によるリスクを解説!

自覚症状がなかったり普段の生活に特段の支障がなかったりすると、高血圧のリスクについてピンとこない人もいるのではないでしょうか?高血圧のリスクについて具体的に紹介します。

詳しく見る
高血圧って遺伝するの?

高血圧って遺伝するの?

高血圧になる原因はさまざまですが、家族に高血圧の人がいて自分も遺伝し発症するのではないかと悩んでいる方も多いようです。高血圧が遺伝するのかどうかについて詳しく解説していきます。

詳しく見る
高血圧とストレスって関係あるの?

高血圧とストレスって関係あるの?

ストレスを感じ自律神経が乱れると、心や身体に不調をきたします。実はそれが、血圧の上昇に深く関係しています。ストレスによって血圧が上昇する理由、対策法などについて解説します。

詳しく見る
高血圧と脳梗塞の関係について

高血圧と脳梗塞の関係について

脳梗塞の原因としてよく高血圧があげられます。本記事では、高血圧と脳梗塞の関係や合併症、予防策などについて詳しく解説します。

詳しく見る
高血圧と心不全は関係あるの?

高血圧と心不全は関係あるの?

心不全はさまざまな病気が原因で引き起こされますが、日常的に血管に大きな負担をかける高血圧が最も重要な原因です。心不全の原因や高血圧との関係、心不全の予防策などについて解説します。

詳しく見る
高血圧のときに気をつけたい塩分

高血圧のときに気をつけたい塩分

なぜ高血圧の予防、治療において塩分の摂りすぎに気をつけるべきなのでしょうか?塩分摂取で血圧が上昇する仕組みや適切な摂取量の目安、気をつけたい食事まで具体的にご紹介します。

詳しく見る
服薬をやめることはできるの?

服薬をやめることはできるの?

「高血圧の薬は降圧できたらやめられるの?」このページでは高血圧と診断された方、すでに高血圧の薬を服薬されている方向けに、薬との付き合い方についてまとめています。

詳しく見る
あなたの測り方は大丈夫?

あなたの測り方は大丈夫?

血圧は、たえず変動をしています。この記事では、家庭血圧の正しい測り方や、測定時の注意点などを具体的にご紹介します。

詳しく見る
拡張期血圧とは?

拡張期血圧とは?

血圧を測定した際、ほとんどの人がその数値を「上の血圧」「下の血圧」と表現していると思います。今回は「下の血圧」(拡張期血圧・最低血圧)に注目して概要や基準などについて解説します。

詳しく見る
収縮期血圧とは?

収縮期血圧とは?

血圧を測定した際、ほとんどの人がその数値を「上の血圧」「下の血圧」と表現していると思います。今回は「上の血圧」(収縮期血圧・最高血圧)に注目して概要や基準などについて解説します。

詳しく見る
高血圧と低血圧

高血圧と低血圧

自分の血圧が高いのか低いのかよくわからない。という方も多いようです。血圧の仕組みや、高血圧や低血圧の定義、基準、原因などについて詳しく解説します。

詳しく見る
下の血圧が高い状態とは?

下の血圧が高い状態とは?

血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の内壁を押す圧力のことです。本記事では、下の血圧が上がる原因やその影響について解説します。

詳しく見る
高血圧、病院を受診するときはどうすればよい?

高血圧、病院を受診するときはどうすればよい?

健康診断等で「血圧が高い」と言われたけど病院を受診すべきか悩んでいませんか?本記事では、健康診断等で高血圧を指摘されたり、血圧が高いと言われた時にどこの病院を受診するべきか、また何科に受診したら良いかについて解説します。

詳しく見る