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どこからが高血圧?
血圧の基準値・正常値を徹底解説

「血圧の正常値はどれくらい?」「高血圧で見るべき血圧の数値は?」
実際に血圧を測定しても、それが正常値なのか、それとも高血圧なのか。どの値を目標にするべきかわからない方もいらっしゃると思います。
ここでは高血圧の基準となる血圧値や正常値についてまとめています。治療する上で目指すべき指標を知っておくことが重要です。

監修:鹿児島大学 心臓血管・高血圧内科学 教授 大石充先生

血圧とは?
血圧とは、血管内を流れる血液が血管の壁を押す力のことです。
一般的には動脈を流れる血液の圧力のことを指し、心臓が収縮して血液を押し流す時の血圧を「収縮期血圧(最高血圧)」、反対に心臓が拡張して血液がゆっくりと流れている時の血圧を「拡張期血圧(最低血圧)」とよんでいます。

日本高血圧学会では、高血圧の診断基準を設定しています。
血圧がいくつ以上だと高血圧症と診断されるのでしょうか。定義をみてみましょう。

高血圧の定義

高血圧の診断に用いられる血圧の値には「診察室血圧」と「家庭血圧」があり、それぞれ診断基準の値が変わります。
生活習慣の改善により、降圧効果が期待できることがあります。

診察室血圧の定義

病院やクリニックなどの診察室で測定する血圧を「診察室血圧」といいます。
普段の環境と違い、医師などの医療従事者が測定することにより緊張などで通常の血圧より高くなる傾向があるため、2回以上の測定の結果に基づくこととされています。

家庭血圧の定義

自宅で測定する血圧を「家庭血圧」といいます。
家庭血圧は1日に複数回、また長い期間継続して測定できるため、血圧の変化をみていくことに向いています。基準値は診察室血圧より5mmHg低い値です。

家庭血圧の測定方法

家庭血圧は、朝晩決まった時間帯に測定しましょう。
朝は起床後1時間以内に排尿を済ませてから、夜は食後や入浴直後を避けて寝る前に測定を行うのがおすすめです。
基本的には朝と夜にそれぞれ1機会に2回測定し、その平均値を記録します。5~7日間継続し、全体の平均値が基準値を超えていれば、高血圧症と診断される可能性が高くなります。

その他の高血圧の種類

家庭血圧が正常範囲内でありながら、診察室血圧が高血圧を示してしまう状態を「白衣高血圧」といいます。
反対に、診察室血圧は正常値であるにもかかわらず、家庭血圧が高い状態を「仮面高血圧」と言います。
病院では通常、日中に血圧を測定するため、夜間や早朝に血圧が上がる場合などには、病院での測定結果だけでは把握しきれない場合があります。そのため、仮面高血圧は病院での測定だけでは気づかれにくく、家庭血圧の測定が重要です。

仮面高血圧の種類

仮面高血圧には、就寝時に血圧が下がらない「夜間高血圧」、精神的ストレスが原因となる「昼間高血圧」、早朝から血圧が高い「早朝高血圧」があります。
なかでも「早朝高血圧」は、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高いため注意が必要です。

高血圧の分類

正常血圧から高血圧まで、血圧値は4段階に分類されており診察室血圧と家庭血圧それぞれに設定があります。
「高値血圧」とは高血圧の一歩手前という段階で、生活習慣を改善するなど、医療機関の指導に従い、家庭血圧125mmhg/75mmHgを目標として、血圧が上がらないよう注意をする必要があります。

診察室血圧の分類(mmHg)

収縮期血圧
(最高血圧)
拡張期血圧
(最低血圧)
正常血圧 < 120 かつ < 80
正常
高値血圧
120-129 かつ < 80
高値血圧 130-139 かつ/
または
80-89
高血圧 ≧ 140 かつ/
または
≧ 90

家庭血圧の分類(mmHg)

収縮期血圧
(最高血圧)
拡張期血圧
(最低血圧)
正常血圧 < 115 かつ < 75
正常
高値血圧
115-124 かつ < 75
高値血圧 125-134 かつ/
または
75-84
高血圧 ≧ 135 かつ/
または
≧ 85
日本高血圧学会
「高血圧治療ガイドライン2019」より

高血圧は、I度〜III度の3段階に分けられます。
高血圧の分類は、診察室血圧と家庭血圧それぞれに設定があります。
ガイドラインでは家庭血圧を用いた治療が強く推奨されています。

成人における高血圧の分類:
診察室血圧(mmHg)

収縮期血圧
(最高血圧)
拡張期血圧
(最低血圧)
Ⅰ度高血圧 140-159 かつ/
または
90-99
Ⅱ度高血圧 160-179 かつ/
または
100-109
Ⅲ度高血圧 ≧ 180 かつ/
または
≧ 110
(孤立性)
収縮期高血圧
≧ 140 かつ < 90

成人における高血圧の分類:
家庭血圧(mmHg)

収縮期血圧
(最高血圧)
拡張期血圧
(最低血圧)
Ⅰ度高血圧 135-144 かつ/
または
85-89
Ⅱ度高血圧 145-159 かつ/
または
90-99
Ⅲ度高血圧 ≧ 160 かつ/
または
≧ 100
(孤立性)
収縮期高血圧
≧ 135 かつ < 85

※「(孤立性)収縮期高血圧」は、拡張期血圧は正常値あるいは下がっているにもかかわらず、収縮期血圧だけが高くなる状態です。
動脈硬化の可能性が高い高齢者に多いとされており、こちらも同様に治療対象となります。

コラム:年代別の平均値

血圧の平均値は年代によって異なり、加齢に伴って少しずつ上がります。

年代別の血圧平均値(収縮期血圧/拡張期血圧)

年代 男性
(mmHg)
女性
(mmHg)
30代 119.5/79.1 110.8/71.5
40代 128.3/83.9 118.4/76.0
50代 133.4/86.4 125.1/79.0
60代 138.2/85.0 134.7/81.1
70代 140.9/80.3 138.4/78.0

出典:厚生労働省 第2部 身体状況調査の結果(2018)
https://www.mhlw.go.jp/content/000451760.pdf(データアクセス日:2022年6月23日)

高血圧の人が目指すべき降圧目標

降圧目標は、高血圧の合併症である脳心血管障害のリスクをおさえるために定められている指標です。
年齢や合併症の有無などによって降圧目標は異なりますが、大きくは以下の2つに分けられます。
高齢者の場合は血圧の変動が全身に影響を及ぼす可能性もあるため、医師とよく相談した上で治療を進めることが大切です。

降圧目標数値

  • 75歳未満の成人
  • 脳血管障害患者 両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉鎖なし
  • 冠動脈疾患患者
  • 慢性腎臓病患者(蛋白尿陽性)
  • 糖尿病患者
  • 抗血管薬服用中

目標値(mmHg)

診察室血圧
< 130/80
家庭血圧
< 125/75
  • 75歳以上の高齢者
  • 脳血管障害患者 両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉鎖あり、
    または未評価
  • 慢性腎臓病患者(蛋白尿陰性)

目標値(mmHg)

診察室血圧
< 140/90
家庭血圧
< 135/85

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」より

まとめ

血圧が高いと指摘されたことがある方は、医療機関を受診し、どんな治療が必要か医師と相談しましょう。また、家庭血圧で自分の血圧推移を記録して持参すると、診断の助けになります。

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