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高血圧にはどのような症状があるのか?
適切に対応するためのポイントを解説

高血圧は、加齢や生活習慣によって進行する自覚症状がない疾患です。
そのため健康診断で指摘されて初めて気づく方が多いのですが、よくみられる疾患なので放置されることも少なくありません。
しかしそのまま放置すると致命的な合併症を引き起こすリスクが高まります。
高血圧の治療を適切に行い、血圧を下げることはそのような合併症の予防になるのです。

監修:鹿児島大学 心臓血管・高血圧内科学 教授 大石充先生

高血圧の症状とは?
高血圧の症状は基本的には無症状である場合が多く、「自分が高血圧症である」ということに気づきにくいものです。頭痛や肩こり、めまい、息切れなどの症状が出た時にはすでに高血圧が重症化しており、脳卒中や心筋梗塞を起こすリスクがかなり高まっている状態になっています。

高血圧は症状がないからと放置しないで!
​​高血圧の合併症

適切な治療をせずに血圧が高い状態が続くと、血管の壁は厚く硬くなり、動脈硬化がすすみます。動脈硬化が進んだ血管は、脳卒中や心筋梗塞などの命に関わるような合併症を突然引き起こすことになりかねませんが、このように進行するまで症状を感じない方がほとんどです。
こうしたことから高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」と呼ばれるのです。

高血圧の先にある合併症とその症状とは

高血圧を適切に治療せず放置することでリスクが高まる疾患には、
代表して以下のものがあります(「合併症」と言います)。
このような症状を感じる前に高血圧の治療が必要です。

脳出血
脆くなった脳の血管が血圧が上昇した際に破れることで発症します。脳の細い動脈は、高い血圧にさらされると動脈硬化が進行し、脆くなります。
生命に関わるような大きな出血の場合は、血の塊を取り除く手術が必要になったり、後遺症が残ったりすることがあります。
症状 激しい頭痛や意識の変調、手足の動きが悪くなる、麻痺・脱力(発症した部位による)など
脳梗塞
脳の血管が詰まり、血液が流れなくなることで脳細胞へ酸素や栄養が行き届かなくなり、脳細胞が壊死する病気です。
動脈硬化が進むと部分的に血流が悪くなり、血栓ができることによる脳梗塞があります。高血圧の他に、糖尿病や脂質異常症等によって脳梗塞の発症リスクが高まります。
症状 運動障害、感覚障害、視覚障害、言語障害、バランス感覚の障害
狭心症
一時的に心臓の筋肉へ十分な酸素が行き届きにくくなることで発症する病気です。
主に高血圧による動脈硬化などの影響で、心臓の筋肉に酸素や栄養を送る冠動脈が狭くなることで発症します。
症状 胸部の一時的な痛み、圧迫感
心筋梗塞
心臓の筋肉に酸素や栄養を送る冠動脈が詰まることで起こります。
動脈硬化などで冠動脈が詰まって酸素や栄養が全く行き届かなくなり、心筋細胞が壊死して突然死を引き起こすこともあります。
症状 長時間の胸部の痛み
慢性腎臓病
腎機能が正常時と比べてかつ、または3ヶ月以上継続してたんぱく尿が増加している状態のことを指します。
進行が進み、末期腎不全になると透析や腎移植を実施することになります。
症状 タンパク尿、血尿、頻尿、貧血、むくみ、倦怠感、食欲低下

まとめ

高血圧により動脈が硬くなると、合併症を引き起こすリスクが上がります。
血圧が高いと指摘されたら、放置せずに治療する必要があります。症状がなくとも、医療機関で診察してもらいましょう。