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高血圧はオンライン診療と相性が良い?

この記事では、オンライン診療のメリットや気をつけるべき点、一般的な利用の流れ、オンライン診療の費用について解説します。また、高血圧はオンライン診療と相性が良いのか、についても説明していきます。

目次
この記事の監修医師
医療法人社団 野村医院 理事長
野村 和至 先生

そもそもオンライン診療とは?

オンライン診療とは、遠隔医療のうち、医師と患者さんの間において、パソコンやスマートフォン等(情報通信機器)を通して患者の診察および診断を行い、診断結果の伝達や処方などの診療行為を、リアルタイムに行う行為、と定義されています。オンライン診療では、受診予約から診察、決済までをインターネット上で行うことができます。ただ予約方法や決済方法は医療機関毎に異なることもありますので、受診したい医療機関を事前に確認することをお勧めします。薬が処方される場合、近所の薬局で受け取ったり、配送で受け取ったり様々なケースがあります。

新型コロナウイルス感染症の流行により、感染予防対策として最近広まりつつある診療とも言えるでしょう。

オンライン診療のメリット

オンライン診療のメリットについて紹介していきます。

(1)通院にかかる負担が軽減できる

オンライン診療では、仕事などの都合に合わせて自宅や職場で診察を受けることができるので、病院やクリニックに行くための時間的・体力的な負担を軽減できます。また、受付や診察、会計の待ち時間も減らせるため、対面診療と比べて、診察を受けるための待ち時間が発生しづらく時間的ストレスが軽減し継続的に診察や服薬指導を受けやすいというメリットがあります。

(2)気軽に医療機関に相談できる

オンライン診療で病気に対してどのようなリスクや危険性があるのか、どのような検査が必要になってくるのか、自身の状態に応じた必要な医学的助言を気軽に相談できる機会が増えます。

(3)リラックスした環境で診察を受けることができる

自宅からなどリラックスした環境の中で診察を受けることができるため、医療機関で診察するよりも緊張しにくく、患者さんによっては普段より発言しやすくまた医師に質問しやすくなったりします。

(4)院内感染や二次感染を予防できる

院内感染や二次感染を避けられるのも、オンライン診療の大きなメリットです。医療機関であっても、感染症の流行期には疾患を抱えている多くの方が行き交う場所となるので、院内感染や二次感染のリスクが生じます。オンライン診療であれば、感染リスクを心配することなく受診できます。

オンライン診療で気をつけるべき点は?

一方で、オンライン診療では気をつけるべき点もあります。

(1)オンラインでの診察が難しい症状や疾患がある

オンライン診療では、聴診や触診が出来ないため、医師が得られる患者情報の量は直接診察するのと比べて少なくなってしまいます。そのため、初めてオンライン診療を使用する際は原則としてかかりつけ医など以前に通院したことがある医療機関を選択することが大事になります。情報不足による誤診のリスク回避や正確な診断をしてもらうためにとても重要です。

(2)病気の検査が出来ない

オンライン診療では、現在の技術では尿や血液検査、レントゲン検査などをその場で行うことができません。

(3)スマホやパソコンに慣れていない人は事前準備を

オンライン診療は、基本的にはスマートフォンやパソコン等を用いて実施します。スマートフォンを使い慣れていない方などは、やはり操作などに時間や手間がかかる場合がありますので、操作に不安がある方はスマートフォンやパソコンを使い慣れたご家族の方やケアマネージャーなどのサポートのある中で受けることをお勧めします。
特にスマホの文字が見えないもしくは普段電話でなかなか相手方の話していることが聞き取れない難聴の方は、​サポート​が必要です。

(4)通信障害によって正確な意思疎通が出来ない場合がある

通信環境が良くない場合に、音声の乱れや通信が途中で切れてしまいしっかり問診が出来ない場合があります。Web問診を実施している医療機関の場合は、事前にWeb問診を入力することをお勧めします。

オンライン診療の利用の流れ

オンライン診療を受ける際の流れについて紹介します。

(1)医療機関を選んで予約する

かかりつけ医がある方は、かかりつけ医でオンライン診療をされているか確認してみましょう。かかりつけ医ではない医療機関で初診からオンライン診療を受ける場合は、本人確認書類の用意や、お薬手帳や健康診断結果、紹介状などの医療情報の提供が必要な場合があります。かかりつけ医でないところでオンライン診療を受ける場合は注意が必要です。医師が得られる情報に限りがあるため、正確な診断が難しくなります。感染予防対策以外の目的の場合は、正確な診断をしてもらうためにも、まずは対面診療で受診することが望ましいと考えます。
オンライン診療の予約は電話やインターネットのホームページなどから行う方法や、診療アプリをダウンロードして予約をとる方法もあります。医療機関によって異なるので、確認をしておきましょう。

(2)ビデオ通話などでオンライン診療を受ける

医療機関によってオンライン診療を開始する方法は様々ありますが、基本的には予約時間に医療機関から連絡が入り、本人確認を行なった上、オンライン診療が開始されます。

(3)料金の支払い

オンライン診療が終わったら、料金の支払いを行います。医療機関に指定された決済方法で支払いを行いましょう。登録したクレジットカードにより支払うことが多数です。

(4)薬または処方箋を受け取る

オンライン診療が終わったら、処方箋が発行されます。発行された処方箋は、指定した最寄りの調剤薬局へFAX送信されます。薬の準備が整い次第、薬局から電話がかかってきた後に、お薬を受け取りに行きましょう。また医療機関によってはお薬が自宅まで配送される場合もあります。

オンライン診療の費用

オンライン診療でも、対面診療と同様に保険診療の場合と自由診療の場合があります。保険適用の場合、患者さんそれぞれの加入している保険に合わせた負担額が請求されます。また、診察やお薬の費用以外にお薬の郵送代やシステム利用料などがかかる場合もあります。医療機関や、利用するサービスによって異なるので、事前に確認しておきましょう。

高血圧はオンライン診療に向いている

オンライン診療は、継続的な治療や経過観察が必要となり、定期的に通院が必要な疾患との相性がよいと考えられます。ご自宅で血圧を測定できる高血圧症はオンライン診療との相性が良いと考えられます。高血圧であっても、血液検査や触診などを必要とする病気を併発している場合は、オンライン診療でもよいか医師と相談しましょう。

通院が負担になる方には、オンライン診療という選択肢もあります

高血圧の治療を以前受けていたが、仕事や子育てで忙しくなったり、遠方から通院している方、出張が多い方など病院やクリニックへの通院が負担になったりして通院を中断してしまった、という方は高血圧のオンライン診療が向いている可能性があります。以前かかったことがあるもしくは過去に通院していた場合は以前の治療内容を参考にしながらオンライン診療で対応が可能なケースもあります。

高血圧の受診は先送りしないことが大事

高血圧の患者さんの中には、「血圧が高いと健康診断で指摘されたが、特に症状もないから放置しておいてもよいだろう」と考える人もいるかもしれません。しかし、高血圧は認知症、心筋梗塞や脳卒中の原因となり得る疾患です。減塩やダイエットなどの生活習慣改善や、内服薬で血圧を適切にコントロールすることで、こうした疾患のリスクを減らすことができます。近年、医師からの指導とスマートフォンで“生活習慣の改善”に取り組む新しい治療法「スマート降圧療法」という治療法があり、ご自宅から家庭血圧や生活習慣の改善への取り組みをスマートフォンに入力し医療機関に情報を共有することができるため、​​​​オンライン診療との相性が良さそうです。高血圧の受診を先送りすることなく、特に高血圧による動脈硬化が進む前に医療機関を受診することが必要です。

イラスト
オンライン診療で、薬じゃない高血圧治療スマート降圧療法を含む 生活習慣改善に注力している病院は、下記のページより検索できます。
薬じゃない高血圧治療
スマート降圧療法
を含む

まとめ

今回は、オンライン診療のメリットや気をつけるべき点、受ける際の流れなどについて解説しました。
高血圧は、オンライン診療と相性の良い疾患と言えるため、以前治療していたが今は足が遠のいてしまっている方や、健康診断で指摘されたものの放置している方などは、オンライン診療を検討してみるとよいでしょう。

参考資料

オンライン診療の適切な実施に関する指針 平成30年3月 (令和5年3月一部改訂) 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/001126064.pdf

オンライン診療その他の遠隔医療の推進に向けた基本方針 令和5年6月 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001116016.pdf

高齢者を診察する医師に向けての「高齢者のオンライン診療に関する提言」 2022年4月 一般社団法人日本老年医学会
https://jpn-geriat-soc.or.jp/proposal/pdf/online_medicalcare.pdf

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