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高血圧と頭痛は関係あるの?

血圧が高い時に、軽い頭痛、頭重感などの症状が見られることがありますが、大部分は自覚症状がないことが多いです。しかし、高血圧に頭痛を伴う場合、重大な病気が合併していることもあり注意が必要です。高血圧と頭痛の関係について詳しく解説していきます。

目次
この記事の監修医師
高木病院 高血圧・心不全センター センター長
国際医療福祉大学・大学院 医学研究科循環器内科学教授
国際医療福祉大学 福岡保健医療学部 教授
九州大学医学部臨床教授
廣岡 良隆 先生

高血圧と頭痛の関係性

高血圧は症状の少ない疾患ですが、場合によって頭痛を伴う場合があります。急激な血圧の上昇とともに、激しい頭痛がある場合は高血圧脳症や、脳出血などの脳血管に関する病態のリスクも考えられますので注意しましょう。また、血圧は生活習慣だけでなくストレスや湿度、緊張など色々な刺激で上がりますので、頭痛によっても血圧が高くなることがあります。

頭痛を引き起こす他の病気

頭痛を起こす重篤な病気としては、脳出血・脳梗塞やクモ膜下出血また脳腫瘍などがあり、生命の危険性を伴うこともあり注意が必要です。脳血管障害は頭痛の他に血圧が急に上がることや、吐き気を伴うことがあります。このほかに、片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛、緑内障、神経痛などでも頭痛が起こります。片頭痛は、吐き気、嘔吐、拍動性の頭痛が起こります。一般的な頭痛薬が効かないことも多く、トリプタン製剤が効果的であることも多いです。新しい有効な薬剤もありますから神経内科を受診してみてください。緊張性頭痛では、頭全体が締め付けられるような頭痛の症状があり、肩こりを合併することもあります。対処法として、筋肉の緊張をほぐすストレッチやマッサージが有効です。頭痛が頻回に起こる場合には、まず原因を調べるために脳神経外科や神経内科を受診しましょう。

高血圧によって生じる頭痛にはどんなものがあるの?

血圧が高いことが原因で頭痛が起こるものに、高血圧性脳症が挙げられます。著明な高血圧(180/120mmHg以上程度)によって必要以上に脳の血流量が増加し、急性の脳の障害が生じている状態であり、直ちに降圧が必要です。また、ここまで血圧が高くない場合には自覚症状のないことが多いですが、時に頭重感を感じる方もいます。

血圧が高い状態が続いて頭痛も続く場合どうしたらいい?

180/120mmHg以上の血圧が高い状態が続き、頭痛、ふわふわするめまいが続く場合には、高血圧性脳症の可能性が考えられるため、至急病院を受診しましょう。また、それほど強い頭痛でなくとも、高血圧が持続する場合には、高血圧性脳症による症状の可能性もあり、早めの受診をお勧めします。

高血圧と頭痛で気をつけるべきこと

高い血圧と頭痛を伴う高血圧性脳症の場合には、心不全や腎不全、目の網膜出血や乳頭浮腫など他の臓器障害を伴うこともあります。物の見え方の変化、動悸などの症状が起こることもあり、いつもと違う症状が続いた場合には注意が必要です。また、高血圧性脳症は適切に治療されなければ脳出血、意識障害をきたし命にかかわることもあります。早めに受診し、適切な治療を受けましょう。

高血圧にならないようにするためには?

高血圧にならないためには、一般的に食事・運動療法が勧められます。食事に関しては減塩(1日6g未満)が勧められます。カリウムは血圧の上昇を防ぐ働きがあり、野菜、果物などのカリウムを多く含む食事が良いとされています。しかし、カリウムに関しては、腎不全を合併する場合には、過剰となる可能性があるため、主治医に確認をしましょう。また、カロリーに関しては、適正体重を維持するための適切なカロリー摂取が勧められます。肥満傾向がある場合には、減量をしましょう。

運動に関しては、有酸素運動が勧められています。ややきつい程度の運動(早歩き、スロージョギングなど)を毎日30分以上行うことが推奨されています。これらの食事・運動療法を行い、血圧をあげないようにしていきましょう。

高血圧になっても、軽度であれば生活習慣の改善で血圧を改善することもできます。また、高めの血圧が続く時には、降圧剤の内服を優先することもありますが、生活習慣の改善、減量で徐々に降圧剤を減量や中止できる場合もあります。

まとめ

頭痛はさまざまな病気で起こりえます。その中でも高血圧を伴うものは注意が必要です。180/120mmHg以上の高い血圧の状態が続き、それに伴って頭痛が現れた場合には、高血圧性脳症の可能性もあります。高血圧性脳症は入院し早急な降圧が必要な重大な病気です。
また、高血圧は頭痛が伴わない場合も、放置しておくことで動脈硬化を進行させ脳血管障害や虚血性心疾患などの病気につながります。
高血圧は症状がないため病院にかからない人も多いですが、健康診断などで高血圧を指摘されたときは、早めに内科を受診して血圧のコントロールのための治療を始めることが大切です。

参考資料

日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会.高血圧治療ガイドライン2019.ライフサイエンス出版株式会社.2019.170p.978-4-89775-386-7 C3047
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019/JSH2019_hp.pdf

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