あなたの診察/検診時の血圧は?
あなたの血圧は、正常血圧です!
この血圧を維持できるように適切な生活習慣を心がけましょう。あなたの血圧は、正常高値血圧です!
生活習慣の改善を行いましょう。
3〜6か月後に再度血圧の測定を行い、高血圧でないか確認しましょう。
※まずは医師に相談しましょう。
あなたの血圧は、高値血圧です!
生活習慣の改善を積極的に行う必要があり、通院を強く推奨します。
あなたが今行うべき血圧の管理方法を確認しましょう。
※まずは医師に相談しましょう。
あなたの血圧は、高血圧です!
生活習慣の改善を積極的に行う必要があり、通院を強く推奨します。
あなたが今行うべき血圧の管理方法を確認しましょう。
※まずは医師に相談しましょう。
あなたが今行うべき血圧の管理方法は?
あなたが今行うべき血圧の管理方法は?
医療機関への通院を推奨します
3か月後に血圧の測定を行い、高血圧でないか確認しましょう。
生活習慣も意識してみましょう。
医療機関への通院を推奨します
生活習慣の改善を積極的に行いましょう。
3か月後に血圧の測定を行い、高血圧でないか確認しましょう。
血圧を下げるには、食生活の改善が大切です。
血圧を下げるための食生活の改善というと「減塩」を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は毎日飲んでいる飲み物にも気をつける必要があります。水分補給や、食事のお供、そして息抜きなど、飲み物は普段の生活に欠かすことができないものです。
ここでは、血圧を下げる可能性が報告されている飲み物や、それらを日常生活に取り入れやすくする工夫をご紹介します。
実は、血圧を下げる可能性がある飲み物がいくつか知られています。ここでは、それらの飲み物を5つご紹介します。
ココアにはカカオフラバノールという成分が含まれており、このカカオフラバノールが血圧を低下させる可能性があるという研究報告があります。その報告では、健康な男女11人に対して、8日間連続で1日6つのカカオフラバノールカプセルもしくは1日6つの黒砂糖を含むプラセボ(偽薬)カプセルを、1日おきに交互に内服させました。
その結果、参加者の血圧が高い状態の時に血圧や動脈硬化を示す値が大きく低下する傾向がみられました。一方、血圧が低い時には血圧を下げる効果は明らかでありませんでした。つまり、ココアに含まれるカカオフラバノールが、血圧が高い時だけ血圧を下げる可能性が示唆されています*1。
ただし、ココアを飲む際には砂糖があらかじめ入っているタイプではなく、無糖のものを選ぶと良いでしょう。加糖タイプのココアでは、カカオフラバノールの効果以上に、砂糖の取りすぎによる血糖値の上昇や肥満などのデメリットが先立つ可能性がありますので注意しましょう。
緑茶も血圧を下げる可能性が報告されている飲み物のひとつです*2。
緑茶は主に中国や日本などの東アジアで昔から飲用されている飲み物ですが、古くから健康の維持や回復に効果があるとされてきました*2。実際に緑茶の中には、血圧を下げる作用があると報告されているカテキンやタンニンなどのポリフェノールが含まれている他に、利尿作用があるカフェインが含まれており、それらが複合的に高血圧の改善に関係していると考えられます*2。
食酢にも、高めの血圧を下げる効果を示す報告があります*3。
血圧が高い(収縮期血圧:130mmHg以上159mmHg以下、拡張期血圧:85mmHg以上99mmHg以下)の男女を対象に、以下の3つのグループに分けて1日100mLを10週間摂取させた研究があります。
その結果、10週間摂取後には、プラセボ飲料 摂取グループに比べて玄米酢飲料では収縮期血圧(上の血圧)が約6.5%減、拡張期血圧(下の血圧)で約 8.0%減と血圧が下がる傾向がみられました。りんご酢飲料についても、収縮期血圧(上の血圧)、拡張期血圧(下の血圧)ともに約8.0%の減少がみられ、玄米酢飲料と同様に血圧の低下がみられました*3。
食酢は主成分である酢酸の代謝産物であるアデノシンが血管拡張作用を持っているので、血圧の低下に繋がると考えられています*3。
牛乳をはじめとする乳製品も、血圧を下げる可能性が報告されています*4。
カルシウムを摂取すると血圧が下がることがわかっています。牛乳にはカルシウムが多く含まれており、これが血圧に影響を与えると考えられています。またカゼインや乳清たんぱく質という乳製品特有の物質が血圧を下げる作用を示す可能性もあるとされています*4。
日本でカルシウム摂取量と血圧の関係を調査した研究によるとカルシウム摂取量が100mg増加すると、血圧は0.54mmHg下がると算出されました。さらに、この関連性は乳製品に含まれるカルシウムでのみ認められたそうです*4。乳製品に含まれる他の成分との複合的な作用があるのかもしれません。
また、乳製品に含まれている特定の乳成分を摂取することで、血圧の低下のみならず、血管を拡張し柔軟性を向上させる働きにも役立つということも報告されています*4。
食塩無添加のトマトジュースも、血圧を下げる効果が期待できます*5。
トマトジュースの中に含まれるGABA(γ-アミノ酪酸)というアミノ酸の一種には血圧を下げる作用があることが報告されています*5。そして、1日あたり12.3mg以上のGABAを2週間以上摂取することで、血圧が高めの方に対して血圧を下げる効果があるという研究もあります*5。GABAは脳内の神経伝達において、リラックス作用をもつ物質です。ストレス緩和効果などもあるとされ、機能性食品素材として注目を集めています*6。注意点としては、食塩が入っていないものを選ぶことです。血圧を下げるためには塩分制限が大切ですので、無塩のものを選ぶようにしましょう。
それでは、血圧を上げてしまうおそれがある、控えた方がよい飲み物について説明していきます。
高血圧の予防と改善のためには、食塩の摂取を制限することが推奨されています*7。食塩摂取値は、日本人の食事摂取基準(2020年版)では成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満です。高血圧の方の減塩目標は1日6g未満と日本高血圧学会で推奨されています*7。厚生労働省の国民健康・栄養調査結果(令和元年)によると日本国民の食塩摂取量の平均値が10.1gであるとされています。1日6g未満というのは想像以上に少ない量に感じられるかもしれませんが、高血圧の方には覚えておいていただきたい数値です。
特に日本人にとって注意すべきものの一つに麺類のつけ汁があります。
商品によって多少の差はありますが、ラーメンやうどんのつけ汁の食塩量はそれぞれ9g程度、7g程度とされています*8。先ほどご紹介した、塩分の1日摂取量を1食で超えてしまいます。このような食事を摂る際には、汁を残すことも大切です。
高血圧と砂糖や人工甘味料入りの炭酸飲料水の摂取との間に有意な関連性があると示された研究結果があります*9。
「適量の酒は体に良い」と聞いたことのある人もいるかもしれませんが、やはり高血圧の方にとっては注意を要する飲み物です。少量のアルコールが血圧を一時的に低下させる場合はあるものの、長い期間にわたって過剰な飲酒をすると、血圧が上がり、高血圧の原因になるとされています*10。
<推奨されている1日のアルコール量*11>
・男性 20〜30ml/日以下
・女性 10〜20ml/日以下
アルコール20〜30ml/日は、日本酒なら1合、ビール中瓶1本、焼酎半合、ウイスキー・ブランデーはダブルで1杯、ワイン2杯程度です。
では、実際に高血圧の方が日常生活の中でできる、飲み物の工夫を紹介していきます。
水分補給や食事のお供としての飲み物は、基本的には水かお茶にすると良いでしょう。砂糖や塩分などが含まれていない飲み物を選ぶことで、高血圧の予防のみならず、砂糖の取り過ぎが原因となるような糖尿病や肥満を防ぐことにもつながります。
小腹が空いた際に、無塩のトマトジュースや無糖のココア、牛乳などをおやつ代わりに飲むこともおすすめです。間食にこうした飲み物を取り入れることで、息抜きと健康的な習慣が兼ねられますので一石二鳥と言えるでしょう。
この記事では、血圧を下げるために効果が期待できる飲み物に焦点を当て、また日常生活に取り入れる際の工夫を紹介しました。無理のない範囲で、紹介した飲み物や日常生活への工夫を取り入れていきましょう。飲み物の選択や取り入れ方の工夫を通じて健康的な生活習慣を築き、それが血圧の改善また予防につながることを期待しています。
*1 Assessing Variability in Vascular Response to Cocoa With Personal Devices: A Series of Double-Blind Randomized Crossover n-of-1 Trials.Front.Nutr.13,June 2022;9.
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2022.886597/full
*2 降圧効果を持つ機能性食品の薬理作用〜血圧コントロールが期待される食品〜.日薬理誌.2015;146:33−39.p35-36
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/146/1/146_33/_pdf
*3 食酢の減塩効果と血圧への作用について.日本調理科学会.2019; 52(2):123-125. P83
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/52/2/52_123/_pdf
*4 ショートレビュー 酪農科学シンポジウム 牛乳,乳製品はヒトの健康維持・増進に貢献するか?. Milk Science. 2019;68(3):188-192. p190
https://www.jstage.jst.go.jp/article/milk/68/3/68_188/_pdf
*5 様式Ⅰ:届出食品の科学的根拠等に関する基本情報(一般消費者向け)
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=42306190022001
*6 GABA経口摂取による自律神経活動の活性化.日本栄養・食糧学会誌. 2008;61(3):129−133.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/61/3/61_3_129/_pdf
*7 高血圧 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html
*8 ◆ よく食べる料理の塩分量の目安 ◆ 長野県食生活改善推進協議会佐久支部、長野県佐久保健福祉事務所作成
https://www.pref.nagano.lg.jp/sakuho/kannai/yobo/documents/enbunhayaminyou.pdf
*9 Sugar and artificially sweetened soda consumption linked to hypertension: a systematic review and meta-analysis. Clin Exp Hypertens. 2015;37(7):587-93.
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3109/10641963.2015.1026044
*10 アルコールと循環器疾患 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-004.html
*11 一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 p13
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019_gen.pdf
令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 (厚生労働省) p23
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf