社会・環境等の基盤が
企業活動の前提
企業活動は経済活動であり、健全な環境、社会の上で初めて成り立つものです。
サステナビリティは会社の存立基盤である環境・社会・経済それ自体及びそれを維持・強化するための活動を意味します。
サステナブルでない世界
サステナブルな世界
CureAppの
DEIポリシー
CureAppでは様々な活動や判断の指針となる共通の価値観を明文化することを目的に、「背景や価値観の違いによる居心地の悪さがない組織」「就労、評価、待遇等において公平である組織」「事業、製品、サービスの体験を通して、ユーザーに不快・不便を感じさせない組織」といったDEIポリシーを策定し、多様な社員1人1人が自分の能力を発揮し、活躍できる環境を目指しています。
CureAppが取り組むべき
社会課題
現在の医療は、日々進歩しているものの、未だに解決すべき課題も多く残されており、
その中でも以下の4点は特に大きな課題であると当社は認識しています。
医療格差
日本においては、国民皆保険の下、全国津々浦々に病院・診療所網が整備されています。一方で、都心と地方を比較すると地域間の格差が未だ存在し、高度な医療技術が進めば進むほど、その格差は広まりつつあります。また、グローバル環境においても、国また地域ごとを比較しても大きな医療格差が存在しています。
高騰する医療費
研究開発費の高騰や少子高齢化等によって、高騰する医療費が課題となっています。特に日本においては2018年度の国民医療費が43兆円超となっており、国民皆保険制度の維持に支障をきたしつつある重要な課題と認識されています。
治療空白
従来の医療においては、診療と診療の間の期間や患者さんが院外にいる場合においては、基本的には医療従事者による治療介入が行われず、いわば「治療空白」が存在しています。特に依存症や生活習慣病など慢性的に管理すべき疾患においては、この治療空白での自助努力による習慣是正について、医療としての介入がなされておらず、疾患改善されないだけでなく、治療中断や病態悪化に繋がるケースも多く存在しています。
医療の質のばらつき
膨大な業務量等が要因となり、専門職である医師の労働時間は社会問題となっています。また、高齢化に伴い、日常的に医療を必要とする患者数は増加しており、一人ひとりに十分な診療時間を割けないことが臨床現場の課題となっています。また、高度な医療技術が進めば進むほど専門職としての経験値や長期の研修が求められ、人によって提供される医療の質にも多様性が生じてきています。
CureAppが提供する価値
(インパクト)
MISSIONソフトウェアで「治療」を
再創造する
当社は『ソフトウェアで「治療」を再創造する』をミッションとして掲げ、事業を運営しています。当社は上述の課題に対して、治療アプリという新たな治療モダリティの社会実装を通じ、すべての人が安心していつでも良質な医療を享受できる社会の実現に尽力して参ります。
医療格差の是正
治療アプリはインターネット環境が整備されていれば、原則として物流網等による制約を受けず処方が可能であり、治療に用いることが可能です。また、専門医の都市部への偏在といった面でも、開発段階で専門医の知見をアルゴリズムに組み込むことが可能です。
当社は治療アプリの普及、社会実装への取り組みを通じて医療格差の解消への貢献を目指します。
医療費適正化への貢献
新薬では、上市まで一般的に数百億~1千億円の研究開発費が必要とされる一方、治療アプリの開発においては①副作用のリスクが相対的に非常に小さいこと、②医薬品の研究開発期間9~17年と比較し、日本初のニコチン依存症治療用アプリは7年と短いことから、治療効果が同等であっても研究開発費は非常に小さくなります。加えて、治療アプリにおける依存症・生活習慣病といった領域での早期介入は、将来の健康リスクや社会的コストの低減によって、早期介入における医療費を上回る将来の医療費適正化効果を見込むことが可能です。
当社は、数多くの疾患に適用できるよう、治療アプリの開発を進め医療費適正化へ貢献してまいります。
治療空白の解消
上述の通り、治療空白の存在は医療の効果・継続に関わる大きな課題です。治療アプリは、現在多くの人が日常的に使用するスマートフォンアプリを通じて、24時間365日、自宅・オフィスその他の制約なく治療を行えます。そのため、継続的な治療介入が求められる疾患に対して、限りある医療資源を消費することなく、治療効果を高めることが可能となります。
当社は、治療アプリの提供を通じ、治療空白の解消に貢献してまいります。
医療品質の安定化
医師の過重労働や専門性の高度化による不可避な医療品質のばらつきは、医師、患者さん双方にとって大きな課題である一方で、限りある医療資源の制約のもと、自助努力による解決は困難です。時間を要する患者さん個々人の生活習慣・考え方に応じ個別化した認知行動療法、生活習慣指導等を、エビデンスのあるガイダンスと個別化のアルゴリズムを備える治療アプリによって代替することで、医療資源への負担を強いることなく、医療品質の安定化が可能となります。
当社は、治療アプリの提供を通じ、医師の負担のない形で医療品質の安定化に貢献してまいります。
Impact Logic
CureAppは、自社で行う治療アプリの開発・普及、そして当社が治療アプリ産業の成長をリードすることで、様々な疾患へ多様な治療アプリが開発・上市されることで、「全ての人が安心していつでも良質な医療を享受できる社会」の実現に貢献します。
その実現へ向けて論理的かつ具体的に取り組むために、当社では最終的な目標(スーパーゴール)に向け、3種類の事業価値(インパクト)の発現経路、4種の中期アウトカムをそれぞれ設定し、経営を行っています。今後、これら指標等について経営サイクルへの組み込み及びガバナンス強化に継続して取り組んで参ります。
インパクトの発現経路
- 1. 患者へのインパクト発現今まで、服薬等を除き原則として治療介入は病院内に限られていました。治療アプリは時間・場所を問わず、エビデンスに基づく治療ガイダンスを提供することでその制約を乗り越え、患者様にとって新たな治療効果をもたらします。加えて初期・軽度段階での治療介入は重症化、二次イベントの防止にも繋がることとなります。
- 2.医療従事者へのインパクト発現医師が処方する治療アプリは、その使用状況の医師への伝達や処方時の支援を通じて、既存医療との相乗効果により医師にも貢献します。これは患者様へのインパクト発現の前提として機能することはもちろん、治療アプリの価値を実感する医療従事者が増加することで、治療アプリの社会実装が進むことにつながると考えます。
- 3.アカデミア・産業へのインパクト発現当社が治療アプリの研究開発を幅広く手掛けエビデンスを蓄積することは、治療アプリの規制等のインフラ整備の加速や研究開発の一般化を通じて、治療アプリ産業への人的資源・資金の両面からの投資の加速、研究開発の裾野拡大に繋がると考えます。当社のみならず様々な研究機関・企業が治療アプリに取り組むことで治療アプリの社会実装がより進むと考えます。
中期アウトカム
- 1.治療効果を享受する患者数(新たな治療効果の発現)当社の治療アプリにより治療効果を享受された患者数を、良質な医療の享受につながる中期アウトカムとして設定しています。
- 2.既存治療等と比較した場合の医療費適正化額(費用対効果の高い治療)医療の経済性は、医療財政の逼迫が問題となる中で重要な指標となります。医薬品に比べ研究開発費が大幅に低い治療アプリの医療費適正化への貢献を算定し、安心して利用できる(持続可能な)医療への中期アウトカムとして設定しています。
- 3.APSを通じ提供される治療アプリ・予定パイプライン数(医療空白の解消)当社は自社開発に限らず治療アプリの流通を円滑化するためAPS(App Prescription System、治療アプリの流通プラットフォーム)の提供を行っています。当社はAPSを通じ流通する治療アプリの総数を、時間・空間の制約のない医療への中期アウトカムとして設定しています
- 4.全国の医療機関におけるAPSの導入数(地域間医療格差の解消)治療アプリの流通促進自体が、専門医の知見をアルゴリズムとして組み込む治療アプリ提供を通じて地域間の医療格差の解消に貢献します。当社は治療アプリの流通プラットフォームであるAPSの医療機関における導入数を、地域間格差是正への中期アウトカムとして設定しています。
SDGsへの貢献
当社は、『ソフトウェアで「治療」を再創造する』というミッションの基、
「全ての人が、いつでも、安心して、良質な医療を享受できる社会」の実現を目指して事業を推進しています。
これらの取り組みは、17の目標からなるSDGsの達成にもつながるものと考えています。
当社では、以下の具体的な取り組みを通じて、SDGsの達成に向けて積極的に貢献していきます。
3.すべての人に健康と福祉を(3.4、3.5、3.8、3.a)
タバコ、アルコール等の依存症や高血圧、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)等の生活習慣病、がん患者支援を対象とした治療アプリを開発・販売することで既存の医療にパラダイムシフトをもたらし、「全ての人が、いつでも、安心して、良質な医療を享受できる社会」の実現に貢献してまいります。
- 3.42030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
- 3.5薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
- 3.8全ての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。
- 3.a全ての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。
9.産業と技術革新の基盤をつくろう(9.5)
当社は、国内初の治療アプリの薬事承認・保険償還実績に裏付けられた開発・薬事・商業化に係る優れたケイパビリティを有しています。これらを基礎に新規パイプラインを継続的に創出するための研究開発への投資を絶えず行って参ります。
- 9.52030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとする全ての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。
17.パートナーシップで目標を達成しよう(17.17)
「全ての人が、いつでも、安心して、良質な医療を享受できる社会」の実現に向け、研究開発段階におけるアカデミアとの連携や新産業のルールメイキング等における官公庁との連携、臨床現場における医療従事者との連携等の各種パートナーシップを推進し、新産業創造に向けた取り組みをリードして参ります。
- 17.17さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。
CureAppの
マテリアリティとは
当社のサステナビリティに関する取り組みにおいて、
「社会・ステークホルダーにとっての重要性」と「当社の事業との関連性」の2つの観点で
特に重要な課題をマテリアリティとして設定しています。
これらのマテリアリティは、私たちのサステナビリティへの取り組みにおける指針として機能するものです。
マテリアリティの設定に際しては外部の有識者を交えたサステナビリティ委員会でのレビューを経て最終的な設定がなされており、
当社の果たすべき役割について過大・過少な認識とならないようにしております。
現在、当社は上記の考え方により10のマテリアリティを設定すると共に、
当社の取り組みとしての優先度をそれぞれに設定しております。
なおマテリアリティについては外部環境の変化や当社の事業・企業としての状況の変化を適時に反映し、
継続的に見直しの必要性を検討する予定です。
当社は「ソフトウェアで『治療』を再創造する」というミッションのもと、
掲げるマテリアリティに対しステークホルダーと連携しながら取り組んでいくことで、
CureAppとしての事業の成長と発展と共に社会全体の持続可能性向上を目指して参ります。