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CureApp HT 高血圧治療補助アプリ【医療関係者向け】

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患者さんに寄り添うアプリを目指して

看護師の立場でコンテンツを中心としたアプリ開発に携わり、患者さんに寄り添うアプリを目指した久木より、アプリをご紹介します。
生活習慣の修正の難しさ
高血圧治療における生活習慣の修正指導は、患者さんが習慣を変えるのに多くの壁があるため大変難しいものとされています。
患者さんは、さまざまな生物学的、心理的、社会的背景をお持ちで、生活スタイルも多様です。生活習慣の指導は単なる行動への介入だけではなく、その方の持つ文化に介入する場合もあり難しさを感じます。
高血圧治療における生活習慣の修正は「減塩、減量、運動、節酒、禁煙」など多岐にわたる上、患者さんによって取り組むべきことや、その実行のしやすさは異なります。
患者さんの背景を考慮して、その方に適切な指導が求められるため、かなりの時間と労力が必要です。
アプリでやるべきことをやりやすく
患者さんごとの多様な背景に対応すべく、CureApp HT 高血圧治療補助アプリ™では、アプリ内で把握した患者さんの情報に応じて、個々にあわせたガイダンスを提供しています。
プログラムは3つのステップで構成されており、ステップ1では患者さんは知識を習得します。
高血圧治療ガイドライン2019に準じて、疾患の知識や生活習慣の修正についてお伝えしています。
1日ひとつのテーマで全14回となっており、患者さんは毎日5分程度のコンテンツを学習します。
ステップ2では行動の実践に移ります。
高血圧における生活習慣の修正は、減塩、減量、運動など多くの項目がありますが、アプリが提示する順に一通りの項目を実践してもらいます。
具体的に何をすればいいかわからない、という患者さんもまずは提示の通りに一度体験することで、これならやれそうという行動に気付いたり、何をやればいいのかを掴みやすくなると考えています。
ステップ3は行動の習慣化です。
ここから血圧の目標値を決めて、自分にあった行動を繰り返し実践し習慣化していきます。
大切にしたのは「実践する行動や目標値を患者さん自身が決める」という点です。
ステップ1、ステップ2で身につけた知識や体験から、ご自分でやるべき行動を決め、その行動を習慣にしていくということを実践してもらいます。

アプリ全体を通して、行動変容の理論を用いたり、モチベーションをあげるような働きかけを行い、患者さんが自律的に生活習慣を整えていけるよう設計しています。
指導の内容は、高血圧治療ガイドライン2019やエビデンスに準拠
アプリでの指導内容は高血圧治療ガイドライン2019の生活習慣の修正の項目から定めています。また降圧に効果のある行動は医師監修の本や論文などエビデンスのある情報に基づいて構成しています。
アプリの中でキャラクターから説明したり、患者さんに質問したりするのですが、温かさを感じられるような言葉がけを工夫しました。アプリを使うこと、つまり生活習慣の修正をポジティブな体験としてほしいからです。語尾の選択一つに何時間も悩むこともありましたが、良いときも悪いときも患者さんをそのまま認めて応援していることが伝わるように意識しています。
自分ごとにしてもらう
臨床で看護師をしていたときは、患者さんと退院後の生活について一緒に考え、自信を持って新しい生活をスタートできるように支援していました。
アプリでも、キャラクターがこれまでの生活を振り返ってもらえるような質問をし、患者さんに内省と気づきを促しています。生活習慣の修正を自分ごとにしてもらう工夫の一つです。
患者さんと伴走する
アプリは患者さんの伴走者であることを大事にしています。上下関係を感じさせる「褒め」よりもできたことを「一緒に喜ぶ」スタンスです。
アプリでは、何かを達成した時に「おめでとうございます」という画面が表示されます。小さな成功体験の瞬間を一緒に喜ぶ仕組みはアプリならではの強みだと思います。
また、行動につながる量と質の情報提供を心がけています。例えば、「ラーメン等の汁を飲み干さない」など、「減塩」という取り組みを具体的にして、できそうな行動からひとつずつ積み重ねる大切さを繰り返し伝えています。
コンプライアンスからコンコーダンスへ:
高血圧治療を再創造したい
先生からの励ましやアドバイスは、患者さんにとってそれ自体が大きなモチベーションになっていると感じます。
診察時には医師アプリの情報を確認しながら患者さんの取り組まれたことに触れていただき、次回の診察までの「約束」をしてもらうといいな、と思います。
患者アプリではその「約束」を日々思い出せるような設計もありますのでぜひ活用していただきたいです。

高血圧治療ガイドライン2019では規則や命令を守るという意味の「コンプライアンス」から患者さんがチームの一員として医師などの医療スタッフと対等な立場で話しあい、合意のもとに治療方針を決定し続けていくことを指す「コンコーダンス」をありたい治療の姿として示されています。アプリによって患者さんと先生の間でより良いコミュニケーションが生まれて「コンコーダンス」な医療が実現されることを願っています。
アプリを活用した治療
アプリを利用した診療は始まったばかりです。製品を提供する企業として、アプリが実臨床でどのように使われていくかを見極め、より効果的な利用方法を研究していく責務があると考えています。
アプリを利用してくださる先生や患者さんとともに、生活習慣を修正するための新たな選択肢を作れたら嬉しく思います。