診察時だけでは、患者さんの生活まで把握するのは難しいと感じていた
生活習慣の改善が大事だとずっと考えていました。結局は患者さんの頑張りが必要な領域なのですが、医師などの医療関係者にできることは限られていて、どうしたらもっと改善できるか悩んでいました。診察時にいろいろとお話は聞くものの、根本を理解するために、患者さんの自宅に伺って、その生活の実態を確かめたいと思っていたぐらいです(笑)。CureApp HTのお話を最初に聞いたとき、もしかしたら、そのようなことが実現できてしまうのではないか、また私に説明しきれないところをアプリが補完してくれるのではないかと期待し、導入を検討するようになりました。
まずは「一度、やってみる?」と声をかけてみる
患者さんへアプリを紹介するタイミングについてですが、普段から初診時は白衣高血圧や仮面高血圧の可能性を考慮して、必ずしも降圧薬を処方するなどはせず、2週間から4週間ほど家庭血圧を測定してもらいます。家庭血圧測定の結果を受け、再診の際に「こういうもの(CureApp HT)もあるんだけど、生活習慣の改善を一度やってみませんか?」とお声掛けし、興味を持ってくれた患者さんにのみCureApp HTを処方しています。スマートフォンが使えそうな人に声かけをすることが多いです。支払いのことを気にされる方もいらっしゃいますが「美味しいものにお金をかけるように、健康にもお金をかけませんか?」と背中を押すこともあります。もちろん無理強いはしません。
小さな成功を患者さんと共有、高血圧治療の大きな一歩に
実際にCureApp HTを処方した患者さんから、食品表示の「食塩相当量」をしっかり確認するようになったというお話を聞きました。食事に対する意識の変化がみられ、これだけでも高血圧治療の大きな一歩だと思います。いろいろわかるようになって、楽しく取り組めるようになったという患者さんもおり、私が想像した以上の反応で、嬉しく思っています。
アプリが診察を補完、よりよい医療を地域に提供していきたい
ひとことに生活習慣の改善といってもその内容は多岐にわたります。「減塩しなさい」だけでは、患者さんは結局どうしたらいいのかわからない。そこから噛み砕いて「減塩しょうゆに変える」「ラーメンのスープは飲まない」というふうに患者さんごとに取り組める方法が違うわけです。そういった個別化を、私に代わってアプリがやってくれるのだと思っています。
また、CureApp HTを導入してよかったと思う理由として、医師側で患者さんの生活の様子がわかるようになったことです。これにより、私がモットーとする「地域の患者さんに心も体もほっとしてもらえる医療」を提供できるのではないかと期待しています。